インプラント
人工歯根素材の開発について|横浜駅西口4分ミズキデンタルオフィス
ミズキデンタルオフィス院長の水木信之です。
人間の免疫システム
失われた歯のかわりになる人工歯根を埋入して人口歯冠を取り付けて、
自然の歯と同じような感じで機能させることは、原理的には可能でした。
それを実現するためには、人工歯根と歯槽骨を違和感なく、
人体に悪い影響を与えずに結合させるための素材を使用しなければなりません。
ご存知だと思いますが、人間には「免疫」という生体防御システムがあります。
外界から信任した異物を排除しようとする働きがあります。
細菌・寄生虫・ウイルス・金属が体内に侵入してくると生体の防御反応が作動して、
排除・吸収しきれない時に体に異常が生じます。
人間の体内に埋め込む物質は、きわめて厳しく高いハードルが設けられてます。
○毒性がないこと
○アレルギー反応を起こさないこと
○発がん性がないこと
○人体との適合性があること
○生体をそこなわないこと
○代謝異常を起こさないこと
などなど
そんな夢のような理想的な物質があると思いますか?
・・・・・・・・。
それがあったのです!
オッセオインテグレーション
人工歯根の素材にチタンが最適であることを発見したのが、
当時スウェーデンのルント大学教授ブローネマルクでした。
1952年に骨のなかの血流と組織の治癒に関する研究が盛んに行われ、
その研究の一環として、彼はウサギの膝の骨にチタン製のネジを埋め込む実験をしました。
実験結果を調べようと、ウサギの骨に埋め込んだネジを外そうとしたのですが、
埋め込んだチタン製のネジが外れなかったそうです。
観察したところ、ネジと骨が完全に結合していました。
実験をしたブローネマルク教授は、
チタンという物質が骨と完全に結合する性質があることを発見したのです。
その後、彼は「オッセオインテグレーション」と名付けました。
この発見を人工歯根に応用しようと思いついたところが、
ブローネマルク教授の非凡なところでしょうね。
彼は光学顕微鏡の観察で、骨とチタンは何のトラブルも起こさずに結合することを確認し、
十数年にわたる安全性のテストを行いました。
その結果、チタンは人体が拒否反応を起こすことなく、
半永久的に結合する安全性の高い物質である確信を得て、
この原理に基づくインプラントシステムを開発し、
今日のインプラント治療の土台を築いたのです。
『純チタン』がベストです!
現在では人工歯根の素材には「純チタン」が最適といわれてますが、
それまで様々な試行錯誤が繰り返されてました。
1960年代には金合金やコバルト・クロム合金。
1970年代にはアルミナなどのセラミック、ハイドロキシアパタイトなどが使用されてました。
国内でインプラントが実用化されたのは1980年代です。
試行錯誤の初期段階には
人工歯根の素材に人工サファイアやセラミックなどが使われたケースもありますが、
患者さんが望むような結果は得られませんでした。
「インプラント」といと、首をひねる方がいますが、
それは初期のインプラント治療の失敗例を聞いたり、
実際に体験されて苦い思いをされているからだと感じてます。
口のなかに異物を埋め込むということに対して、
生理的に嫌悪感・恐怖感・疑問を感じるという人がいらっしゃると思います。
今日では、インプラント治療は完全に安全性と技術が確立し、
世界中で数十万人の成功事例をもつ治療システムになってます。
当院では毎月1回「インプラント無料講演会」を開催してます。
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